初期の曲を集めた「赤盤」に対して、ジャケットの色あいが青で統一された“1967-1970”は「青盤」と呼ばれている。写真は「赤盤」と逆に表が“GET
BACK”用、裏が“PLEASE PLEASE
ME”の別フォトになっている。撮影場所は同じEMI本社で、4人のポーズも似ているので、両者を比べてみるのもおもしろい。特にジョンの変貌が著しいが、わずか6年しかたっていないのである。 曲は、1967年以降、シングルの曲数が少なくなったこともあって、アルバムから選ばれた曲が11曲もある((3)〜(6)(10)(11)(16)(17)(22)(25)(27))。シングルについても、A面はすべて収められているが((1)(2)(7)(9)(12)(13)(18)(20)(23)(24)(26)(28))B面収録曲も(8)(14)(19)(21)の4曲が入っている。 ヴォーカルの構成は、ポールが(2)(3)(9)〜(13)(15)(17)(18)(26)(28)の12曲、ジョンが(1)(5)〜(8)(14)(19)(20)(23)(27)の10曲、ジョージが(16)(21)(22)(24)の4曲、リンゴが(4)(25)の2曲。 チャート状況は、まずイギリスのメロディ・メーカーでは2位まで上昇したのち、一度3位に落ちたものの、73年7月に2週1位に輝いた。NMEでは1週1位を記録。アメリカのビルボードでも1週1位を記録し、トップ100に47週、トップ200に77週ランクされるなど、“1962-1966”を上まわるヒットとなった。 収録された28曲のうち、イギリスでシングル・チャートの1位を記録したのは、メロディ・メーカーで7曲((1)(2)(7)(9)(13)(18)(20))、NMEで6曲((7)(9)(12)(13)(18)(20))である。アメリカのビルボードでは(2)(7)(9)(13)(18)(23)(24)(26)(28)の9曲が1位を獲得したものだ。 サウンド面では、ツアーをやめ、完全にスタジオ中心となった時期の作品のみが収録されている。キーボード類をとり入れ、サウンドは次第に複雑となり、それもビートルズだけで多重録音したもの((4)など)と、セッション・ミュージシャンの参加がなければ成り立たないもの((7)など)に分かれる。いずれもライヴで再現できない曲が多い。後期は再びシンプルな音に戻ろうとするが、逆に曲の構成が複雑になっているものも多い。 解散直前の音はグループとしてのまとまりに欠け、それぞれのソロの出発点とも言えるが、それでも、これだけの秀曲が並ぶのだ。青盤では、ビートルズが切り開いたロックンロールの新たな地平と、それぞれの個性を開花させていく過程を楽しんでほしい。 |