ビートルズを主人公にしたアニメーション映画のサントラ盤。ビートルズ自身は終わりの部分に少し登場するだけだが、映画のテーマは4人が主張する「愛・平和・音楽」を集約したもの。(1)〜(6)にオリジナル、(7)〜(13)にジョージ・マーティン・オーケストラの演奏が収められている。旧作も含まれ、この時点での純粋な新曲は(2)〜(5)の4曲のみ。最初から映画のために書かれたのは(3)(5)だけである。童謡の要素の強い曲からエレクトリック・ミュージックまで、ジャンルを越えた魅力が感じられる。今でも子供たちのあいだでは根強い人気がある。後半もジョージ・マーティンがビートルズ風の味つけをした、なかなかいい作品である。オーケストラということで飛ばしてしまいがちだが、よく聴いてみると、シタールを使ったり、テーマ曲をマーチ風にアレンジしたり、おもしろい部分がいろいろ見つかる。新曲が少ないこともあって、チャートではイギリスで4位、アメリカで2位までしか上昇しなかったが、ゴールド・ディスクを獲得した。
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