初の主演映画のサウンドトラックがA面に、その他の新曲がB面、という形で構成された3枚めのアルバム。全曲オリジナル、しかもレノン=マッカートニーの作品で占められている。この自作自演の曲だけで構成されたという点で、ポップス史上におけるひとつの画期的な作品であった。 サウンド面では、ヴォーカルでダブル・トラックを効果的に多用したり、パーカッション類が増えたこと、12弦ギターを使い始めたことが特徴。詞にも変化が見られ、比喩表現をうまく使った(1)あり、叙情的な(5)ありと幅が広がっている。ジョンがヴォーカルをとる曲が9曲もあり、もっともジョンの色が強いアルバムだ。(1)(8)ではリード・ヴォーカルの低い音程の部分はジョン、高い音程の部分はポールと分け合い、息の合ったところを聴かせる。日本盤は初め、映画のワン・シーンをジャケットに使っていたが、再発の際にこのオリジナル・ジャケットに改められている。全英チャートでは初登場で1位を獲得、次のビートルズのアルバムに取って代わられるまでその座を守った。
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